マスタリング・コンプレッサーテクニック番外編
2019年11月01日 13時13分
やり過ぎがいい場合もある?
コンプレッサーの多用により、音はつぶれてしまいます。これは既に「あまりよろしくないこと」としてご紹介しているわけですが、音楽というクリエイティブな世界に「絶対」という言葉はありません。」このつぶれたサウンド自体が「かっこいい」という場合も無きにしも非ず。ルールなど無視したくなってしまうこともあります。かっこいい、しかも自分の出したい音はこれだ!と思えたのであれば、何も問題ないのでは?
これは場合によります。
コンプレッサーの膝?(ニー)
コンプレッサーは、スレッショルドを超えて初めて作動します。ニーはコンプレッサーのグラフに表される折れ線の、ちょうど膝となる部分です。デジタルコンプレッサーの処理だと、このニーはカクッと曲がるのですが、アナログコンプレッサーを使うと丸みを帯びています。この丸みのあるニーを「ソフトニー」と呼ぶことがあります。ソフトニーでは、極端にコンプレッサーがかかることがなく、広い範囲に効果が最適化されます。このニーをコントロールできるコンプレッサーであれば、より自然な効果が期待できると言うことですね。この「ナイスなニー」を持っているコンプレッサーであれば、やり過ぎの場合でも、それほどわざとらしいサウンドにはなりません。
コンプレッサーの使いすぎは、やはり理想的なものではありません。ただし、コンプレッサーによっては、いい効果が期待できることもあります。アナログコンプレッサーがなければ、プラグインで対応することもできます。