マスタリング・オーディオマスタリング

マスタリング、イコライザーはこうして働く

2018年05月16日 14時50分

イコライザーを動かすと、そこには等しく反対の動きも発生する
 
たとえば、2KHzのつまみをプラスしすぎると、その分、何かが薄っぺらな印象になります。これを埋めようと100Hzを動かすと、その分、何か中音域が物足りなくなる。イコライザーは動かせば、その分、反作用が出てしまうのです。これはなかなかコントロールが難しいことですが、イコライザーは耳を信じて動かすしかないのです。
 
イコライザーのつまみを動かすための教科書はありません。自分の耳を信じる。必然的にマスタリングを極めるためには、耳を鍛える必要があることは言うまでもありません。
 

マスタリング・コンプレッサーとリミッターの違い

コンプレッサーとリミッターは仕組み的には同じものです。リミッターは超高レシオ、超高速のコンプレッサーと言えます。
 
マスタリング・コンプレッサーとリミッターの使い方
使い方と言っても、コンプレッサーやリミッターに正しい使い方が決められているわけではありません。マスタリングエンジニアは、「この楽器に対してはこうしてコンプレッションを使って…」など、試行錯誤しながらセッティングを見つけていきます。かんたんな答えはありません。
 
すべての音楽には特徴があり、それらのマテリアルに合わせてセッティングを変えていくのがマスタリングの鉄則だからです。マスタリングに生まれ持った感性が必要だと言われる理由は、こういうところなのかもしれません。適切なセッティングを見つけるためには、試行錯誤の他に「本能的な何か」が必要です。厳しいことですが、プロのエンジニア全員が、このような道を通ってきました。こうしてそれぞれのマスタリングエンジニアは、自分のやり方を見つけていきます。
 
マスタリングの秘密・音を「でかく」するには?
マスタリングには試行錯誤がつきものです。しかし、考えてみれば実はステップ的にはシンプルです。基本的にはサウンドレベル、イコライザー、そしてダイナミクス、これだけです。サウンドレベルに関してはわかりやすいと思われますが、他の2点はどうでしょうか?イコライザーとダイナミクスはマスタリングの核であり、つかみ所の難しい作業でしょう。
 
イコライザーを動かすことで、レベルは変化します。レベルが変化するので、必然的にレベルを微調整することになります。その逆もまた然りです。この反作用はシステム上、避けられないことは、先に触れた通りです。これは多くの初心者にとって高い壁であると同時に、イコライザーについての理解を深めるチャンスでもあります。
 
イコライザーを調整することで、サウンドをブーストすることができます。ただ、やはりこれにはコツがあって、コンプレッサーとリミッターの使用を抑える必要があります。
 
マスタリングはシンプルだけど、極めることが難しい世界
マスタリングは音楽制作における最後のステップです。ミックスの終了した音源を、ひとつの作品としてバランスのとれたものに仕上げ、なおかつ最終音源としてエクスポートすることがゴールです。オーディオの世界では、デジタルとアナログの優劣について論争となることがしばしばありますが、音楽制作の世界においても例外ではなく、現代のマスタリングは、デジタルとアナログが共存した世界です。基本的なステップは、何十年も昔から変わっていません。
 
マスタリングはサウンドレベルの調整、イコライジング、ダイナミクスという基本要素により構成されています。しかし、ほぼすべてのステップで感性が要求され、試行錯誤の末に作品ができあがるという、努力と忍耐が必要な仕事です。そこには決まったルールはありませんが、身につけておくべき知識はあります。